病院の治療法
【狭窄型坐骨神経痛の治療】
効果のある薬などを使用した保存療法から
歩行困難や排尿障害といった症状がないときには保存療法から治療が行われます。保存療法とは、手術以外の治療を総称したもので、代表的なものには以下のようなものがあります。
| 治療法 | 内容 |
| 薬による治療 | 抹消血管拡張薬や消炎鎮痛薬などが用いて痛みを軽減します。そのほか、病状によっては精神安定薬、ビタミンB12などが投与されます。ビタミンB12には、神経のはたらきを安定させるはたらきがあります。 |
| 物理用法 | 超音波やホットパック、マイクロウエーブ、マッサージ、入浴などの物理的な刺激を与えて患部の血流をよくし、神経や靭帯、筋肉の緊張をほぐして機能を改善し、痛みを軽減させます。 腰痛がある場合には、腰の骨盤の位置にベルトをかけて足の方向に引っ張ることで腰椎の緊張を和らげる骨盤牽引を行うことがあります。 |
| 装具療法 | 症状によって、コルセットを使用します。コルセットを使用すると不安定な腰椎や衰えた筋力をサポートしますので痛みが和らぎます。 |
| 運動療法 | 強い腰痛などがあるときは、安静にしていることが原則ですが、軽い痛みのときは体操やストレッチを行うと痛みを軽減させることができます。 |
神経ブロック療法
神経ブロック療法は、神経やその周囲に麻酔薬を注射し、脳に送られる痛みの信号を遮断する治療法です。運動神経もリラックスするので、筋肉の緊張もとることができます。
この治療法では、痛みの原因を取り除くことはできませんが、患者を痛みや不快感から解放することで、自然治癒力を生かして病状を改善させることができます。症状によっては、麻酔薬とともに炎症を抑えるステロイド薬が注射されます。坐骨神経痛の治療で行われる神経ブロックには次のものがあります。
| 種類 | 内容 |
| 硬膜外ブロック | 脊髄の周囲を囲む3つの膜のいちばん外側にある硬膜といわれる膜と、その外側にある黄色靭帯の間に麻酔薬やステロイド薬などを注射する方法です。これにより、痛みや筋肉の緊張、神経の炎症を抑えるなどの効果があります。 ただ、この方法は薬にアレルギーのある人、血液が凝固しにくい人、排尿障害のある人、糖尿病などで細菌に感染しやすい人などには行われません。 |
| 神経根ブロック | 坐骨神経痛の痛みを伝達している神経根に直接麻酔薬などを注射します。腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアが原因となっている坐骨神経痛にもっとも効果があるといわれています。 |
手術
手術は、強い麻痺、膀胱や直腸の障害、日常生活に不自由のある歩行障害、保存療法で改善しない痛みがあるときなどに行われます。手術には、次のような方法があります。
| 方法 | 内容 |
| 椎弓切除術 | 腰部脊柱管狭窄症が、脊柱管の数箇所にわたって起こっているときに行われます。全身麻酔のもと、うつぶせの姿勢で皮膚を切開し、腰椎についている筋肉をていねいにはがします。そして、狭窄を起こしている脊柱管の椎骨ごとに馬尾や神経根を圧迫している椎弓や椎間関節、靭帯などを切除していきます。 |
| 部分椎弓切除術 | 狭窄の範囲が限られているときは、椎弓の一部を切除して、そこから神経を圧迫している骨や靭帯を切除します。 |
| 日赤式椎弓形成術 | 狭窄を起こしている脊柱管を広げ、手術でいったんはずした骨を元に戻して椎弓を形成する手術です。椎弓を広範囲に切除することで、脊柱を支える骨が弱くなったり、神経がむき出しになったりしていることきに用いられます。 |
| 内視鏡下部分椎弓切除術 | 腰部脊柱管狭窄症が、隣り合った椎骨で起こっているときは内視鏡による手術が行われることがあります。内視鏡による手術は、手術の傷が小さく、出血が少なく、患者の負担が軽い手術です。 |
| 顕微鏡下椎弓切除術 | 顕微鏡を使って手術を行います。内視鏡手術と同じく患者の負担が軽い手術です。 |
| 脊椎固定術 | 腰椎すべり症などがあり、脊柱管の椎弓を切除したのち、腰椎が不安定になるときはその部分に削った骨や人工骨を移植して、チタンの金属とボルトで固定し、移植した骨が癒合しやすいようにします。 |
| 日赤式脊椎制動術 | 腰部脊柱管狭窄症の手術で椎弓を切除したあと、不安定になった脊椎を固定するときに、細いチタン製のロッドとポリエチレン樹脂の紐を使って脊椎の動きを制動する方法です。 |
術後の後遺症
病状によっては、適切な手術が行われても痛みやしびれが残ったり、筋力が低下したりすることがあります。また、術後しばらくしてから新たな腰部脊柱管狭窄症がおきることもあります。自覚症状があわれたときは、すみやかに医師に相談し、適切な治療を受けるようにしてください。
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